【本の紹介・要約・感想】

【コンサル1年目が学ぶこと】

著者:大石 哲之  発行:2014年

本のタイトルは「コンサル1年目が学ぶ」だが、

内容は、新入社員に留まらず、全社会人に読んでもらいたい内容に仕上がっている。

一冊の本にここまで、端的に要点を押さえた本はめずらしい。

間違いなく良書です。

本の要約をしたはずだが、かなりの情報量になってしまった。

それほど、この一冊の本には価値がある。

 

<以下、本の要約・感想>

「期待値」を超えることはコンサル業界において普遍的に重要なこと。

オトキヨ
オトキヨ

「期待値を超える」
この本で何回も出てくる重要なキーワードです。
あなたは、相手の期待値を超えた仕事をしていますか?

①結論から話す。

コミュニケーションの鉄則(ビジネスの場合)

まず結論から話す。
「演繹的な話し方」:起承転結の順番通りに話すこと。
「帰納的な話し方」:結論から話すこと。

報告書、メール、メモ、会話の全てにおいて結論から話すことを徹底する。

理由は、短い時間で相手に必要なことを伝えるため。

「PREP法」は話す時でも書くときでも有効な手段だ。

PREP法
Point:結論
Reason:理由
Example:具体例
Point:結論の繰り返しで締める。
☆普段しゃべる時から心掛ける。

②会議には「アジェンダ」を用意する。

結論が最も意識される場面は会議。

会議には必ず「アジェンダ」を用意する。

アジェンダとは?
→議論して結論を出す論点。

この会議で何を結論として議論するかをイメージして臨む。

 

③トークストレート

トークストレートとは、

端的に喋る、簡潔にしゃべる、率直にしゃべる。

質問にストレートに答えることが状況を明らかにする。

できないという回答には、できる方法をセットにして話す。

上司やクライアントにも、必要なことならばストレートに伝えるべきだ。

 

④世界共通語は「数字」と「ロジック」

世界共通語があるとすれば、それは「数字」だ。

感覚的な問題を数字に落とし込み事実(ファクト)として伝える。

経験のない社員でも数字が唯一の武器になる。

上司も部下もクライアントも関係なく話しができる。

他では得られない、独自に集めた数字ならば有効度は増す。

 

世界共通語は論理(ロジック)と数字。

論理と数字は世界共通。

多様性が進んだ現代では、全員が同じバックグラウンドの前提で話すことは難しい。

論理と数字で用いて、トークストレートで話す。

経営者に近い立場の人ほど、より数字で物事をとらえて判断する。

責任ある立場の人ほど数字と感情の区別がつく。

新人が情に訴えるのは10年早い。

筋が通った話しでないとスタートラインにも立てない。

 

クライアントがテーマについて全然わからないことを前提で話しをする。

その時にロジック思考が必要になる。

それでいて相手の反応が「無言」であったら、理解していない証拠である。

相手が理解していないシグナル:
・こちらが資料をめくったのに資料をめくっていない。
・他の方向を見ている。
・「およそわかりました。」「だいたいわかりました」と曖昧な返事をする。

⑤圧倒的な顧客視点。

究極の伝え方は、徹底的に相手の土俵に合せること。

相手の立場、言葉、考え方のクセも研究して合せる。

相手が使用するフォーマット(色、字体など)に合せる。

⑥相手の期待値を超える。

どうしたら常に評価され信頼されるか?

それは、「相手の期待を超え続けること」

ビジネスは相手の期待を超え続けることに他ならない。

そのためには相手の期待の中身を把握する必要がある。

相手が何を期待しているのかを正確に把握する。

把握できたら、期待を絶対外さない。

そして期待値以上の成果をだす。

120%を目指す。

また、相手の期待値が高すぎる場合、期待値を下げるマネジメントも必要になる。

安請負してはならない。

 

⑦仕事の道筋をたてる。

上司から仕事を受けるときの確認ポイント。
①その仕事の背景や目的
②具体的な仕事の成果イメージ
③クオリティ
④優先順位・緊急度

相手の指示が曖昧な場合、自分なりの仮設をたて、コミュニケーションをしてギャップを埋めていく。

スピード感の確認も必要。

その上で、相手の期待値を超える。

指示を出す側、受ける側が共通認識をもち、期待値を明確にする。

作業に入る前に「考え方を考える」
→アプローチ、考え方、段取りなどの手順を考え、合意を得る。

別の言い方だと、「どのように考えたら答えが出るのか?」
その道筋をまず考える。

道筋の合意が得られるメリットは以下の3点
①作業の全体像が見えて、安心感が生まれる。
②あと出しの要求や、どんでん返しがなくなる。
③事前に作業の難易度や作業量を見積もることができる。

 

⑧ロジックツリーを使いこなせ。

ロジックツリーを使いこなす。
①一生使える
②全体を俯瞰できる
③捨てる能力がつく
④意思決定スピードが上がる。
参考文献:「問題解決のプロフェッショナル「思考と議事つ」」斎藤嘉則
古典にあたるらしい。

ロジックツリーは大きく複雑な問題も、小さい問題に分解することで、それぞれの論点で議論できる。

それぞれの論点を分析することで、全体の答えを出すことができる。

ロジックツリーを上達させるには、他者のフィードバックがかかせない。

自己流でやるよりは早い段階でスクールに通うなどの方がよい。

 

⑨仮設からスタートせよ。

はじめに仮説ありき。

「もしからしたら、こうではないか」と、大胆に仮説を立てる。

仮説をたてることで効率的にリサーチができる。

リサーチと仮設はいつもセット。

仮設思考を身に着けると意思決定のスピードが非常に早くなる。

多くの人は問題を持ちかけられてから検討を始めるが、仮設を持っている人は、その時点で検討は終わっており、結論を用意している。

仮設を持つ=現時点での結論を用意できる。

 

⑩考えること>情報量

ビジネス能力を向上させるのは、情報量ではなく、考えること。

考えるとは自分の意見を持つこと。
自分の意見をもって情報に接するとよい。
自分の意見を持って情報に触れ、はじめて学びの機会が生まれる。
自分だったらこう思うという筋をもって、本を読む、記事を読む。

情報を集めるだけでなく、その先にある「本質」を提示することで価値が生まれる。

 

⑪議事録の作り方

議事録の作成は後日証拠となるような決定事項を簡潔に書く。

途中経過は必要ない。

議事録の必要項目
・日時、場所、参加者、アジェンダ(論点・議題)
・決まったこと
・決まらなかったこと(次回に持ち越したこと)
・確認が必要なこと
・次回に向けてのTODO(誰がいつまでに)

上記を最初の項目として書き出す。

あとは箇条書きで埋めていく。

関係者に流して了承を得て決定となる。

 

⑫専門領域での読書術

専門書領域での読書術。

漫然と読むのではなく、読む目的を明確にして読む。

畑違いに転職した人(秋山ゆかりさん)はコンサル入社時に800冊/年読んだ。

読むというより、キャッチアップした。またスクールにも通った。

目的意識をもった検索&拾い読みを続けた結果、専門家と話してもだいたいポイントをつかんだ議論ができるようになるらしい。

 

⑬大事なことだけにフォーカスする。

コンサルは仕事が早い。

尋常ではない速さが求められる。

大事なことだけにフォーカスして仕事をする。

重点思考で「20対80の法則」とも言われる。
例:売上80%を、わずか20%の顧客がもたらしている。
例:エラー80%は、わずか20%の業務から発生している。

80%を決める20%の要素にだけ注目して仕事をする。

大事な部分にフォーカスして、残りは切り捨てる。

 

⑭会議で発言しない人の価値はゼロ。

会議に出て発言しない人の価値はゼロ。

出席したからには自分の時間単価に見合った仕事をする。

経営者から見れば、社員の時間はお金そのもの。

時間はお金にしか見えないのだ。

⑮スピード重視

スピードを追求して高速でPDCAサイクルを回すと、質も上がる。

素早く、汚く、完璧でなくていよいから早く出す。

100点はいらない。

3日の100点より、3時間の60点が重要。

ラフでもいいので早く前進して、走りながら答えを探る方がよい。

 

⑯クライアント、結果にコミットする。

仕事のコミットメント。

約束したことはやり遂げる。

コミットする対象は常にクライアント。

上司に対してや、がんばることに、コミットしない。

クライアント、成果にコミットする。

 

⑰メンターを持とう

メンターをもつ

守破離
守:師匠の一挙一動を真似る。
破:師匠と違ったやり方を覚え、幅を広げる。
離:師匠のやり方を超え、独自の技を生み出す。

 

 

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