【本の紹介・要約・感想】

【眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話】

著者:茂木健一郎

発行:2020年

「眠れなくなるほど面白い 図解○○○○」という本はシリーズ化されており、様々な分野を取り扱っている。

何冊かこのシリーズ本を読んだことがあるが、特徴としては、その分野のあらゆる視点の基礎の部分をいくつかピックアップして図解と併せてわかりやすいように解説していることだ。

「この分野を知るにはまず始めから。。。。」という入門書という立ち位置ではなく、最新情報や、要点や、面白エピソードなど、読者が取っつきやすいネタを選んで解説しているような本になる。

「この分野に興味を持ってもらえたら。。。。」というぐらいの視点で書かれた本であるので、体系的にまとめられた本ではない。興味がある部分だけ読んでも、問題ないような本の構成になっている。

過去に一時、「図解雑学 ○○○○」という本のシリーズが流行ったことがあった。本の構成は図解雑学シリーズと同様だと感じた。

<紹介・要約・感想>

・g因子が高い人=地頭がよいといえる。g因子が高い人は前頭葉の集中力回路の働きがよい。
・集中力を鍛えるには、勉強でも何でも最初からトップスピードでやることで鍛えられる。
人間の脳はどんな場所でも瞬間的に集中できるように設計されている。

・脳のストレスを解消する方法
自分自身を客観的に観察する「メタ認知」をする。

・DMN(デフォルト・モード・ネットワーク):何もしていない、考えていない時の脳の神経回路網。
DMNには脳の情報や感情を整理整頓する働きがある。
DMNを強化するには、意識的にぼーっとする状態をつくる。
マインドフルネスでただただ自分を見つめることは、ストレス軽減につながる。
何も考えていないときDMNが活動しやすい状態になる。
マインドフルネスで、「今、ここに」意識を向ける。

・脳力を高める方法
新しいことに挑戦するとドーパンミンが分泌され、脳の回路が強化される。
テクニックとして「ゲームフィケーション」がある。
これはゲームの要素を取りいれるというもの。
タイムプレッシャー(時間制限)でゲーム要素を取り入れることも有効。
ギリギリの時間設定でできた時の達成感は脳を活性化させる。

・失った自信は取り戻せる。
まず、根拠のない自信を持つ。そして、裏付ける努力をする。

・脳は新しいものと出合いが好き。
新しいものとの出会いは脳を活性化させ、ドーパミンなどの多幸感の神経伝達物質を分泌させる。
旅行などはよい。

・積極的に挑戦したいのであれば、安全基地も持つことが重要。
いつでも戻れる場所や人があるという安心感が挑戦する意欲を生む。
子供の能力発達のためには、安全基地が非常に重要(家、家族、家庭環境)。
大人も同様である。うつ病患者も一緒。家、家族など自分の安全基地を持つことが重要。

・創造性を発揮させるには?
自己規制をいかに外せるかが重要。
固定概念にとらわれずに、自分の思いや感情を素直に表に出すこともよい。

・脳のひらめき回路は繰り返し使うことで鍛えることが出来る。
わからない問題をじっと考えて、脳をフル回転させて脳が活性化する状態を作り出す。
これがアイディアを出すための近道。その内、ひらめき=アハ!体験に繋がる。

 

・AIについて

技術特異点に到達したAIのIQは4000とも言われる。アインシュタインが180。
今後、AIの方が優秀になるのは間違いない。

しかし人間には論理(ロジック)と感情(エモーション)がある。
人間とAIを比べる必要はない。

これからの時代は人間だけがもつ身体性が重要になる。
スポーツにおける身体性が人間の直感やセンスを磨くことになる。
そのためにランニングなどの運動は有効的である。

 

 

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