【映画紹介・感想】

【映画】そこのみにて光輝く

原作:小説 著者:佐藤泰志

監督:呉三保

主な出演者

・綾野剛 ・池脇千鶴

・菅田将暉 ・高橋和也

<紹介・感想>

原作は、映画「草の響き」と同じく佐藤泰志。函館出身の小説塚。

著者自身、自律神経失調症に悩まされていたらしい。そのこともあり「草の響き」を書いたのだと思う。1990年、41歳で自殺。精神病になった人間は、何故か「死にたくなる」。僕もうつ病なのだが、病院の先生に、「オトキヨさん、自殺だけはしたら駄目だよ」とよく言われる。それほど、精神病と自殺は密接な関係があり、身近な行動になるのだ。この著者も苦しかったのだと思う。

出演者の上記3人は、この映画で数々の賞を受賞している。映画自体も数々の賞を受賞している。

この映画は、登場人物の半生を描いた作品であった。登場人物は、自分の過去、家族、仕事、環境のどれ一つとっても、一般的な「普通」ではない悩みを抱え込んでいる。

それぞれの思いが交錯する中、少しでも幸せになろうと動いてはいくが、どうしても上手くいかない。そのもどかしを描いた作品であり、その表現力が高い作品であった。

ラストの海沿いの浜辺のシーンは、印象的だった。浜辺では、それぞれの悩みがなかったかのように、太陽が心を浄化してくれているようだった。

個人的には作品の内容より、俳優それぞれの演技や、諸所の場面での表情が心に残った。この作品の俳優さんたちは、とても素晴らしい人たちだ。まさに名優だと感じた。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA